大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)48 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人佐佐木祿郎の上告理由について。

論旨は、原判決がDは被上告人Bを代理する権限がなかつた旨判示したのを非難

するのである。しかし、所論のDが本件山林の管理をEに委任した事実、Dが代替

地の交渉を一人で行つた事実があつたからといつて、これらの事実はDがBを代理

する権限なくして行つたことになつても、ために、逆に代理権限があるということ

にはならない。また、EがBを知らず、Dの依頼のみによつて山林を管理し納税令

書の交付を受けて納税した事実は、原判決の認めていない事実であるのみならず、

かかる事実によつてもDに代理権限があつたものということはできない。

論旨はさらに、表見代理を主張するのであるが、かかる主張は原審でなされない

のみならず、BがDに対して代理権を与えた旨表示した事実もなく、Dが代理権限

を持ち権限外の行為をしたというのでもないので、表見代理の問題を生ずることは

ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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